【もやよし-29】平間(JR南武線)

南武線には結構なじみがあるのですが、平間(ひらま)

正直……

そんな駅あった???

と思ってしまったのですが、あります。

武蔵小杉川崎のあいだ、武蔵小杉から2駅目が「平間」です。

改札前の時計の上には、今にも巣立っていきそうなツバメの雛たちが。

駅の出口は1箇所だけで、すぐ目の前が商店街になっています。
平間駅前商栄会といいます。カラフルな飾りは、七夕でしょうか。

古い店舗と新しい店舗が混在し、商店街はそこそこ賑わっています。

さて、「もやよし」はいつも出発前に軽く事前学習をしています。今回も土地柄や歴史について少し調べてみたのですが、なぜかあまり資料が出てきませんでした…。

ひとまず「平間」という地名自体は、少なくとも江戸時代以前からあったことがわかりました。
「平間」とは《たいらなところ》という意味だそうです。そ、素朴〜!

(参考: やさしい川崎の地名(上) 幸区 下平間の項)

駅の西側すぐのところに、平間銚子塚というものがありました。

とても小さいうえに隣のアパートから圧迫されていますが、一応 古墳(前方後円墳)だそうです。そして「赤穂浪士が討ち入り前に平間に滞在した際、そのうちの一人が大工に送った銚子がこの塚に祀られている」のだとか…。

この「銚子」って何かな?と後から調べてみたのですが、ヤカン・酒器・鍋・徳利など複数の意味があることに加えて、前方後円墳の通称でもあるらしく、なんだか・・・何が銚子塚の真実なのか、よくわからなくなってしまいました。もともと「銚子塚」という名前のところに、銚子を送ったエピソード。本当かなぁ。

銚子 – Wikipedia

さらに西へ少し進むと、交通量の多い府中街道にぶつかります。

その道沿いに、何やら立派な団地がそびえ立っていました。
市ノ坪住宅」です。

このらせん階段・・・! いや〜、素晴らしいですね。

団地好きなアグよしにはたまらないスポットです。

団地の向かいには、住宅公園がありました。

マイホーム・・・。購入を考えたことは一度もありませんが、どうやら誰でも入って大丈夫なようなので、侵入してみます。

平日の昼間だからか、ほとんど人はいません。

綺麗に清掃されており、従業員の方もいるので、ゴーストタウンとは印象が異なります。

ただ普通の家とは違って、夜になるとここには人がいなくなるんだなぁ…と思いました。

外から見た印象ですが、ウッドデッキや植栽などで「ステキな家」「理想の生活」といった雰囲気の演出が施されていますが、やはりモデルルームなので、どの家も少しだけ現実離れしています。

家を買う気が無い我々のような者がウロついて良いのか?という緊張感もあって、ちょっと不思議な空間です。

府中街道を渡って、もう少し西へ進んでみます。

緑ゆたかな小川を越えて、目指すはJRの新鶴見操車場です。

線路の上に架かる橋に向かって、だんだんと坂をのぼっていきます。先ほどの市ノ坪住宅が再び見えてきました。

湘南新宿ラインと横須賀線、そして操車場に向かう線路です。遠くに見えるタワマン群は、武蔵小杉ですね。

線路と団地の間にある柵はなんだろう?と思ったのですが、恐らく洗濯物除けだろうと推測しました。
洗濯物一枚でも電線に引っかかったり線路に落ちたら、大変なことになりますもんね・・・。

操車場と小川を後にして、今度は駅の東側に行ってみます。

多摩川に向かって歩いていくと、奇抜なデザインの建物に出会いました。

パチンコ屋の駐車場です。迷彩柄なのに、かなり目立っています。

こちらは日焼け跡みたいな模様のマンション。

Y字路…と思いきや、3又に分かれる道路。平間の街には、こういった斜めに交差する道が多く見受けられます。

上平間八幡大神の、ご神木と思われるイチョウの木です。

鍾乳洞のように幹が垂れ下がっています。どうしてこうなったんだろう。

ガス橋」!! いい名前ですよね。声に出して読みたい、ガス橋。

ガス工場で作られたガスを、対岸へ送るために架けられた橋だそうです。

多摩川の向こうは、東京都の大田区です。こちら側は神奈川県川崎市、中原区。

さて、多摩川沿いの道路を少し南下して、住宅街の方へ向かいます。

平間の街の形って、少し不思議なんです。こちらの地図をご覧ください。

平間公園のあたりを中心として、道路がなんとなく円形というか、渦巻きのような形を描いています。

以前「もやよし-16 踊場」でも丸い地形があったのですが、こちらは軍の通信施設があった場所で、電波干渉を防ぐためというハッキリとした円形の理由がありました。

平間のこの地形に関しては、1900年前後の地図には既に現れているのですが、理由がわかりません。(円の内側には何も無かったようです。)高低差もない平らな土地なのに、どうしてわざわざ曲線の道を残しているのでしょうか…。

このあたり、ひと昔前は工場が多かったみたいですね。

ネコちゃんにも触りつつ、

平間公園」に到着しました。
後ろに見えている施設は、児童プールです。夏に向けて清掃作業中。

鳩ちゃんたち…。動画にも1羽だけ出演してくれました。

暑さと空腹にやられそうになったところを、セブンティーンアイスの自販機に救われた白井。

(このあとしばらくアイスの棒を持って歩くハメになりました)

平間配水場の隣の広場です。配水場がコンパクトになったことで余った土地が、多目的広場になったそうです。広々としてますね。(参考資料)

さて、カクカク曲がった道を歩いて、駅の方へ戻ります。

またしても斜め道路・五差路。
曲線を描く道路があると、こんな風にどうしても三角形の土地ができちゃうところが、不便そうだけど面白いな〜と思います。

ネコちゃん(2)。
平間はネコスズメが多い街でもありました。そして(写真は撮れませんでしたが)、外で遊ぶ子ども達も多かったです。いわゆる「動物も人も暮らしやすい街」って、こういうことなのかもしれません。

平間にあるもう一つの商店街、「ひらまぎんざ」にたどり着きました。

「ひらまぎんざ」を抜けると、駅前の「平間駅前商栄会」に戻ります。

猛烈な勢いで開発が進む「武蔵小杉」の近くにありながら、洗練されすぎず、古い商店や家屋があちこちに残っていて、「平間」は思った以上に歩き甲斐がある街でした。

大きな川(多摩川)と線路に挟まれ、曲がりくねった道を抱えて、絶妙にままならない土地だからこそ滲み出る味わいを、存分に堪能しました。

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ここまで読んでいただき、ありがとうございました!

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