松戸駅から新京成線に揺られること、28分。

千葉県船橋市の滝不動(たきふどう)駅にやってきました。

新京成線のテーマカラーは、鮮やかなピンク色。


小さいながらも個性あふれる、魅力的な駅のようですね。


踏切を渡って、

こちらが駅の西口。
街の電気屋さんみたいな小さい看板が可愛いです。
さて、ここから住宅街の中を通って、北西の方角へ進みます。


左右の住宅を眺めながら歩いていると、
途中で道幅が変わり、クランク状になっている箇所がありました。

このクランクが実は伏線で、最後に回収(?)されるので覚えておいてください。

まっすぐな道の突き当たりにやってきました。
正面の土が盛り上がっているのを見て「向こう側に川があるのかな?」と思ったのですが

そんなことはなく、ただ道路と道路の間に「土が盛り上がって草木が生い茂っている一帯」があるだけでした。
後で調べたところによると、これは「野馬土手」の跡。
昔このあたりには江戸幕府による馬の放牧場があって、馬が逃げないようにと築かれた土手だそうです。
参考:下野牧二和野馬土手|船橋市公式ホームページ


御滝公園(おたきこうえん)に到着しました。
大きな桜の木がたくさん生えている、広々とした公園です。


公園内の小径を通り抜けた先にあるのが、

御瀧山金蔵寺(おたきさんこんぞうじ)。ご本尊が不動明王なので、「御滝不動尊」とも呼ばれているそう。
このお寺があるから「滝不動」という駅名なんですね〜。

門や塀が普通の道路に面しており、段差も無いので、気軽に入れる感じのお寺かな?と思いきや、

威厳のある、たいそう立派なお寺でした。
御瀧不動尊金蔵寺公式ページ(千葉県船橋市金杉の寺院・真言宗豊山派御滝不動尊)

塔と塔の間を降りた先には仁王門があって、



門の脇には「水行場」の看板と、怪しい通路が。行ってみましょう。


やっと辿り着きました、行者滝です。
「境内に“滝”なんて見当たらないけど…」と思っていましたが、こんなにひっそりとした所にあったとは。
四方を取り囲む石壁と、やさしく降り注ぐ木漏れ日が、神秘的な雰囲気を演出しています。

滝不動の由来である「滝」と「不動尊」を堪能しました。


鬱蒼とした林を通り抜けて、

どこからどう見ても、こっちが正式なお寺の門ですね。
なぜ私たちはいつも、お寺の裏口から入ってしまうのか……。

ぐるっと回り込んで、御滝公園に戻ってきました。


公園を抜けて、お寺の裏道を西へ向かって歩きます。

前方にヤバい坂が見えてきました。グーンと下って、のぼってますね。

駅から御滝公園までの間はほとんど高低差が無かったのに、ここへきて急激なジェットコースター。


谷を越えた先に続く、風通しの良い道を進んでいきます。


金杉台団地にやってきました。


写真では大変わかりづらいのですが、目の前がものすごく急な崖 + 深い谷になっているのが見えますでしょうか。

このようにY字型の谷が、金杉台団地の脇に横たわっています。
深さ・急さから察するに、この谷は遥か昔、入り江だったんじゃないでしょうか。
千葉や茨城あたりには、こういったダイナミックな地形がゴロゴロありそうですね。


さて、一気に坂をくだって、団地の出口を目指します。

一番下まで降りきったと思ったら、またすぐに上り坂。


この辺りは三角形に余った土地が至るところにあり、その多くが空き地や公園になっているようです。
残余地の面白そうな使い道をあれこれ妄想しながら、駅を目指し歩いていきます。



畑の向こうに、ゴルフの練習場が見えます。
滝不動の駅にだんだんと近づいてきました。


ここも余った土地… というよりは、
急に道幅が変わったために生じてしまった三角形ですね。

道幅って、そう頻繁に変えて良いものではないと思うのですが…
なぜか滝不動ではこのような、クランクというか枡形というか、
歩行者の行く手を阻む小さな壁がいくつも見つかりました。

だいぶ車通りが激しくなってきました。
駅はもうすぐ目の前!という地点で最後に発見したのが、こちら。

石敢當だ!!!!
石敢當(いしがんとう)とは?
沖縄や鹿児島に多く見られる、魔物=マジムンを撃退するための魔除けの石碑。マジムンはまっすぐにしか進めないので、T字路や三叉路の突き当たりに石敢當を設置して、家への侵入を防ぐ。
(参考:石敢當 – Wikipedia)
NHK『ブラタモリ』石垣島の回を見て、石敢當を知っていた我々。
この石敢當を発見した瞬間、興奮のあまり
「滝不動で出会った不自然な壁は、全て石敢當だったのでは?」
と結論づけたくなりました。
本当はたぶん違うのですが…、
「魔除けのため」と考えたほうが妙に腑に落ちるので、そういうことにします。

謎が解けてスッキリとしたところで、
ピンクの新京成線に乗り込み、滝不動駅を後にしたのでした。
【今回のルート】
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