東京都世田谷区にある、芦花公園(ろかこうえん)。

京王線の、各駅停車しか止まらない駅です。
新宿から明大前を通り過ぎて、千歳烏山の1駅手前。


京王線は現在、笹塚〜仙川間の線路を高架にして踏切を無くす工事を進めているそうで、
この芦花公園駅もいずれは高架駅になるみたいです。
(参考:京王電鉄京王線(笹塚駅~仙川駅間)連続立体交差事業|京王グループ)

確かに、駅の手前側で工事をしていますね。

さて、芦花公園駅に来たからには「芦花公園(蘆花恒春園)」に行くべきだろう…ということで、
ひとまず南へ向かって歩き出します。

道を歩きながら左右を眺めてみると、植栽や庭づくりに対する情熱をひしひしと感じます。



泉橋公園という小さな公園がありました。


ハトちゃん公園の向かい側には、

世田谷文学館という綺麗な水色の建物があります。


文学館の中には入らず、その横の道を進んでいきます。
木漏れ日が綺麗ですね。

歩道がとても広く作られていて、そこかしこにベンチが設置されています。
ベンチでお昼寝している人もいたりして、なんともゆったりとした空気が流れる散歩道です。

木々の緑を楽しみながら優雅な気分で歩いていた、そのとき。
「ブブブブブ!」


セミ「ジ……」

セミ「ジィィィィイィィイィイイイイイ!!!!!」
なんと飛んできたアブラゼミがKEKEのリュックにとまり、しかも大声で鳴き始めました。
いやいやいや、うるさすぎる。
突然やってきて「ジィ〜」じゃないよ!なんなんだ。
すると次の瞬間、

セミの必死の叫びに呼び寄せられて、メスのセミも飛来。
…やめてくれ!!!

いったいどうなってるんだ…。
夏の終わりにセミ達も焦っているのはわかりますが、
人の身体を勝手にお見合い会場にされては困るので、お引き取りいただきました。


しかし……なかなか芦花公園にたどり着きませんね。

道端に、気になる2本の円柱を発見。

そこからグネグネの道を歩いていくと、

ようやく公園に到着しました。
「芦花公園」と呼んだり、「蘆花恒春園(ろかこうしゅんえん)」と呼んだりするみたいです。
ここは明治〜大正期の小説家・徳冨蘆花(とくとみろか)の旧宅で、園内には記念館や徳冨夫妻のお墓があります。
ちなみに徳冨蘆花とジャーナリストの徳富蘇峰(とくとみそほう)は兄弟だそうです。

さっそく公園内を探索したいところですが、
ここに来るまでにセミの襲撃などがあったせいで既にお腹がペコペコなので、
いったん公園を突っ切って、最寄りのコンビニを目指すことにします。

公園を出るとすぐ目の前に、とんがった建物が現れました。
これは……なんて素晴らしい鋭角なんでしょう。
我々はつい最近「鋭角の建物を使ったひみつのあそび」を発明したばかりなので、こういう鋭角には目がないのです。

この素晴らしい鋭角を、歩道橋の上から見てみましょう。

たまりませんね。後ろに可愛いガスタンクまで!!
この場所を、アグよし的・芦花公園絶景スポットに認定します。

ちなみに後ろを振り向くとこんな景色ですが、写真左上にある白い塊を見上げると、

千歳清掃工場の煙突が見えるんですね。この歩道橋、どちらを向いても楽しいです。

廻沢(めぐりさわ)粕谷(かすや)歩道橋、でした。

ファミマで腹ごしらえを済ませたので、再びの蘆花恒春園へ、いざ参ります。




広大な公園かと思いきや意外とすぐに歩き終わって、公園の外に出てきてしまいました。

ここからは住宅街の中をあてもなく歩きます。

見慣れない畑だな…と思いましたが、おそらく「植木畑」というやつではないでしょうか。
その名の通り、お庭や花壇に植える植木を育てている畑です。

こだわりの植栽は、こうして育てられた木々によって作られているんですね。
ちなみにこの付近では、造園業者の看板も数多く見かけました。

おや、しばらく歩いているうちに、街並みの様子が変わってきました。

この辺りはもう、隣駅の千歳烏山(ちとせからすやま)ですね。
芦花公園エリアと比べると、だいぶ賑やかで雑多な雰囲気。


良い佇まいのブランコがありました。


ごみごみした千歳烏山の駅前を通り過ぎ、線路近くの道を歩いて再び芦花公園駅を目指します。

歩いていると不意に、「千歳烏山っぽさ」から「芦花公園っぽさ」に抜けた瞬間がありました。
なんだろう。建物や植え込みの雰囲気ですかね。

途中で烏山神社に立ち寄りました。居心地の良い、素敵な神社です。


鳥居が2つあって、それぞれの両サイドに狛犬がいます。






神社を後にして、大きな団地の中の道を通っていきます。
ここも街路樹が立派で、木漏れ日が心地よいです。



遊歩道を抜けると、
左側に芦花公園駅の駅舎、正面には駅前ロータリーが見えました。


芦花公園は、広々とした歩道や豊かな緑など余裕のある街並みが印象的でしたが、
これまでの「もやよし」で歩いた他の高級住宅街とは違って、どこか抜けがあるというか
ちょっと適当なところもあったりして、几帳面すぎない気安さがありました。
お金持ちで、こだわりが強いけど、だらしのない部分もあったりして、どこか憎めない。
芦花公園の街を擬人化するとしたら、やっぱり文豪っぽいかもな〜 と思ったのでした。
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