東武伊勢崎線(またの名を東武スカイツリーライン)で、北千住から1駅。

小菅(こすげ)駅にやってきました。駅舎は荒川を渡ってすぐのところにあり、

プラットホームからは荒川河川敷とスカイツリーが望めます! とても良い景色。


しょっぱなから土木的な魅力に溢れており、素敵な予感がしますね。
ちなみに小菅という住所は葛飾区ですが、小菅駅自体は足立区だそうです。


駅前の道が、驚愕の狭さです。迫りくる自販機と民家にいきなり圧倒されました。

とりあえず、ホームから見えた荒川河川敷に行ってみましょう。


東武ストア前の信号を渡り、じぐざぐのスロープを登っていきます。

堤防の上にやってきました。
この日は土曜日。梅雨の晴れ間ということもあって、ピクニックやバードウォッチング、サッカー、ジョギングをする人などで河川敷は賑わっています。

どことなく荒川らしい、自由奔放な雰囲気が漂っています。
堤防の脇には高速道路。目の前を車がビュンビュン通り過ぎて行きます。


階段がずいぶんと急で、堤防がかなり高く造られていることがわかります。
河川敷から降りて、住宅街の中へ入っていってみましょう。



味のある公園に辿り着きました。「松原児童遊園」、名前の通り松の木が生えています。

公園の向かいは東京拘置所の敷地。とっても広いです。
江戸時代には将軍の鷹狩りの休憩所であった小菅御殿が、明治時代には小菅県庁になり、レンガ工場になり、そして拘置所になったそうです(ざっくり)。



さて、小菅といえば東京拘置所の他にもう一つ、「小菅ジャンクション」が有名です。

綾瀬川の突き当たりを右に曲がると、見えてきました。ワクワクしますね……。

こちらは「水戸橋」からの景色です。川の上の工事現場って、なんだか風情があります。
綾瀬川と荒川、それぞれに高速道路が並走しており、2つの河川がぶつかるY字の部分が小菅ジャンクションになっています。

いよいよ近づいてきました。もう「良さ」がすごい!!!!

新水戸橋の上からは、ジャンクションを間近で見ることができます。
綾瀬川とジャンクションを挟んだ両岸は、東京都水道局の大きな施設になっているそうです。小菅水再生センター

首都高も、下の道路も、ガードレールやフェンスも、なにもかもがウネウネしてて最高。


さて、そろそろジャンクションに別れを告げて、綾瀬川沿いの道を北上していきます。

いかにも「リバーサイド」といった感じですね。


荒川と綾瀬川に挟まれた三角形の街・小菅ですが、
実は上辺にあたる東京拘置所の北側にも、水路が流れています。(裏門堰親水路というらしい)


拘置所の周り、水路沿いの道をぐるっと歩いて、小菅駅の近くへ戻ってきました。

線路の下をくぐれそうだったので、いちおう駅の反対側も見ておこうかな?と思ったのですが、


東武ストアの反対側に出ただけでした。どうやら駅の出入口は一箇所しか無いようです。


というわけで、最初の駅出口に帰って参りました。
あまりの駅前っぽくなさに「この辺りに昔から住んでいる人たちは、まさか自宅の目の前に駅ができるなんて思っていなかったのでは……」と考えたのですが、調べてみたら小菅駅の開業は1924年(大正13年)だそうで、めちゃくちゃ歴史ありました。まさか97年前からこんな感じなのか?


小菅駅が開業した頃(1924年)は、当然首都高もなかったわけで(このあたりは1982年ごろ開通? 参考:首都高の歴史)、
東京拘置所は1922年に「小菅監獄」から「小菅刑務所」に改称し、関東大震災(1923年)で被害を受け倒壊したそう。(参考:近代建築の楽しみ)
ものすごく色んなことがあって、今の姿になっているんですね。

歩いた印象としては、特に拘置所周辺には高層マンションや団地が立ち並び、道や公園も綺麗に整備されていて、人工的な質感を強く感じました。
高く造られた荒川堤防や、小菅ジャンクションのスケール感も。
自分たちが普段暮らしている街とは、感触が全然違っていました。

水害や震災、首都高の建設で、激しいスクラップ&ビルドを繰り返してきたからこそ、こんなに複雑な雰囲気の街になっているのでしょう。
【今回のルート】
【Vlogバージョンはこちら】
動画で見ると、街の雰囲気がよくわかります。ぜひご覧ください!