【もやよし-47】生田(小田急小田原線)

突然ですが皆さんは「サグい」と言う言葉をご存知ですか?

サグい=HIPHOP用語。英語の「thug(凶漢、ごろつき)」からきている形容詞でギャング風の悪っぽい雰囲気のこと。
(参考:Weblio辞書

今回「生田」を歩いている最中何度か「サグいわ〜」と呟いたのですが、僕はこの言葉をちょっと間違ったニュアンスで覚えていたようです。

不良っぽい雰囲気ではなく、街全体から感じるもっとこう、いかめしいというか、険しいというか、そういうニュアンスで使っていたんですね。

何を言っているのかわからないと思いますが、読み進めるうちに一端でも伝わらないかな…と思いながら書きたいと思います。

降車したのは生田折返場。基本的にバスの溜まり場なので、ここで乗降するお客さんはほとんどいない。

目的地は小田急の生田駅。昨今の情勢を鑑みるにあまり遠出はできないということで、今回はバスで行ける場所を選びました。

生田駅は向ヶ丘遊園駅読売ランド前駅の間にあり、準急までは停まりますが、急行・快速急行は通過します。

バス停の目の前にある街道・津久井道(つくいみち)。交通量はかなり多く、歩道も狭い。
菜の花が咲き乱れる線路沿いの風景
生田の街の特徴はこの「坂」と「階段」。今後もバリエーション豊かな坂や階段が登場します。

生田折返場のバス停から徒歩10分弱。真っ直ぐ歩いてきた先に、駅前らしき賑わいが見えてきました。

駅前の交差点。狭くて急な坂道。
かなりの交通量にも関わらず、画面左から右へ渡る横断歩道には歩行者用信号がありません。

線路のある場所が谷になっているのでしょう。線路沿いの街道の両側は、常に急な上り坂となっています。

生田駅の北口。駅前の道も狭い

駅構内を通って反対側へ。北口からエスカレーターで登り、

南口の階段を降ります。狭い谷地に建てられた駅舎だからか、ずいぶんと傾斜が急に感じますね。

そしてこの南口を出てすぐに我々を迎えるのが…

枯れ草が絡まる

駅出口の目の前の風景がコレって、かなりインパクトがありますね。
(ちなみに右端の派手なやつは、高級食パン屋です)

崖の手前には五反田川という細い川が流れています。

この川底は「五反田川の甌穴群(おうけつぐん)」という、何か珍しいものらしいです。

断崖絶壁に建つ建物、いちいち迫力がある

平地が極端に少ない土地だからか、どこも歩道が狭いですね。

ぐにゃぐにゃと伸びる坂道を、あてもなく登っていってみることに。

車通りの多い道から、住宅街の中へジグザグ登っていきます。

身体の目の前をずっと車が通り過ぎているので、なんとなく心が落ち着かないですね。

ダッ・・・・
このようなY字路が次々に現れる

坂を上った先には、大きな団地がありました。

駅前とは違い、広くて静かで、車通りも人通りも少ない。やっと肩の力が抜けたような感じがします。

団地内の虚無スペース
穴あき壁のオブジェで遊びました
鳩ちゃんに見守られながら・・・。

団地を抜けた先には、長沢浄水場があります。

とても広そうだけど、よく見えなかった
道の先にまた小さな山があり、てっぺんに家が建っている。すごい・・・

浄水場前の坂道をくだって、駅の方へ戻ることにします。

生田駅の東側に架かる、生田大橋の上にやってきました。

斜面に並ぶ家が可愛くて、神奈川県っぽい光景ですね。

橋から見下ろした景色がこれ!画面奥に生田駅があり、左奥には南口の前の崖もよく見えます。

いや〜、最高ですね。線路と道路と五反田川が複雑に交差しています。

線路の下をくぐる五反田川。ジグザグな造形が素晴らしい

登戸方面に目をやると、早咲きの桜が満開です。河津桜でしょうか。
(河津桜といえば、松田に行ったのはちょうど一年前でした)

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それにしても、橋の上から眺める路地の面白さよ
下に降りると、こんな感じ

ぐるっと回って、生田駅北口に戻ってまいりました。

駅前の建物が密集してゴチャゴチャした雰囲気と、高台にある団地の風通しの良さとの対比が印象的でしたね。

渋谷駅も谷底に作られていることで有名ですが、生田駅周辺の高低差は、谷というよりも「崖」という雰囲気でした。

各種チェーン店も豊富にあり都心にも出やすく、物質的な面では便利だと言えるのかもしれませんが、毎日降車のたびに真正面に断崖絶壁が立ちはだかる街に住むと、一体どういう心持ちになるのか…。

昔タモリさんの本に「崖の街と平地の街で生まれる思想が違う」というような話が書いてあり、生活する土地によって人の心もようにも変化があるのかな…と。(参考:タモリのTOKYO坂道美学入門

そんなことに思いを馳せてみたりしました。

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